DNAは、変わらないものだと思っていた。

日常・気づき

DNAという言葉は、誰でも一度は聞いたことがあると思います。

私も、もちろん知っていました。

でも私はずっと、

「DNAは親から子へ受け継がれるもの」

「血筋のようなもの」

そして、

「生まれたときから決まっていて、基本的には変わらないもの」

そんなふうに思っていました。

ところが、少し深く知ってみると、どうもそれだけではないようです。

DNAは、そのままコピーされるだけではない

私が最初に驚いたのは、

親から子へDNAが受け継がれるときに、単純にそのままコピーされるわけではない、ということでした。

父親から半分、母親から半分。

しかも、受け継がれるDNAは「組換え」という仕組みによって、

いわばシャッフルされ、さまざまな組み合わせになります。

だから、同じ父親と母親から生まれた兄弟姉妹でも、一人ひとり違います。

考えてみれば当たり前のようですが、

私はここで初めて、

「生命は、同じものをそのまま繰り返しているわけではないんだ」

と思いました。

持っている遺伝子が、すべて同じように働くわけではない

そして、もう一つ興味深かったことがあります。

私たちが持っている遺伝子は、いつも全部が同じように働いているわけではないということです。

必要に応じて働き方が変わります。

食事。

運動。

睡眠。

ストレス。

年齢。

そして、周りの環境。

さまざまな条件によって、遺伝子の働き方が変化することがあります。

これは「遺伝子発現」や「エピジェネティクス」と呼ばれる仕組みにも関係しています。

もちろん、

「環境に合わせてDNAそのものが自由に書き換わる」

という意味ではありません。

でも、

同じDNAを持っていても、その情報がいつ、どのくらい使われるのかは、ずっと同じではない。

私はそこが、人の身体の神秘なところだと思いました。


DNAは「運命」ではなかった

ここまで知ったとき、私はふと思いました。

私たちは、

「生まれつきだから」

「親もそうだったから」

「私は昔からこうだから」

そんな言葉で、自分自身を決めつけてはいないでしょうか。

もちろん、生まれ持ったものがあります。

変えることのできないものもあります。

けれど、

受け継いだもの=その人の一生

ではないのかもしれません。

持って生まれたものと、

どんな環境で生きるのか。

何を食べ、

どう身体を動かし、

何を経験し、

どんな人と出会い、

どんな毎日を送るのか。

そうしたものが重なり合いながら、私たちは生きています。

変わらないものを持ちながら、変わっていく

生命の長い歴史を考えてみても、

まったく変化しないままでは、今の私たちは存在していなかったでしょう。

世代を重ねる中でDNAにはさまざまな変化が起こり、その中から環境に適した特徴が残っていく。

そして一人の人間の中でも、環境や生活に応じて遺伝子の働き方は変化していく。

生命は、「変わらないもの」と「変わるもの」の両方を持っている。

私は、そんなふうに感じました。

そして、それは人の生き方にも少し似ているような気がします。


「もう歳だから」

「今さら変わらない」

「私はこういう人間だから」

そう思うことがあります。

でも、本当にそうでしょうか。

70歳でも、80歳でも、

昨日まで知らなかったことを今日知ることはできます。

昨日まで考えなかったことを、今日考えることもできます。

新しい人と出会い、

新しいことを経験し、

今までとは違う自分に気づくこともできます。

生まれ持ったものを、すべて変える必要なんてありません。

変わらないものがあってもいい。

でも、

「私はこうだから」と、自分で自分の未来まで固定しなくてもいい。

DNAのことを知って、

私はそんなことを考えるようになりました。

生命そのものが、受け継ぎながら、変化しながら、今まで続いてきたのなら、

私たちもきっと、

変わらないものを大切に抱えながら、それでも新しい自分へと変わっていける。

そう思うと、

「これから」という時間が、少し楽しく感じられませんか。

今日も、温かい眼差しで…

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